夭折の歌人・萩原慎一郎の遺作を映画化

夭折の歌人・萩原慎一郎の遺作となった歌集を原作とした映画「滑走路」の予告編が解禁となった。


あふれる才能を遺し、突然この世を去った歌人・萩原慎一郎による「歌集 滑走路」。あとがきを入稿した翌月、32歳の若さで命を絶ち、デビュー作にして遺作となった一冊の歌集が映画化された。

いじめや非正規雇用を経験しながら、それでも生きる希望を託した歌は、苦悩を抱える人へのエールとして多くの共感を集め話題に。新聞やテレビなどでも次々と取り上げられ、歌集にしては異例のベストセラーを記録した作品だ。

原作歌集をモチーフにオリジナルストーリーとして紡がれる本作。水川あさみが扮する翠(みどり)、浅香航大扮する若手官僚・鷹野(たかの)、そして新人・寄川歌太が扮する中学二年生の学級委員長。それぞれ“心の叫び”を抱えて生きる3人の人生が、やがて交錯していく。

脇を固めるのは、坂井真紀、水橋研二、吉村界人、染谷将太、木下渓、池田優斗ら。非正規、いじめ、過労、キャリア、自死、家族――現代を生きる若い世代が抱える不安や葛藤、それでもなお希望を求めてもがき生きる姿を鮮烈に描き出している。

完成した予告映像では、まったくバラバラな3人の人生が、一人の人物の死をめぐり交錯していく様子が描き出される。様々な障壁と対峙し、行き場のない“心の叫び”を抱えるそれぞれの登場人物たちだが、「あの日、あなたの言葉が生きる翼をくれた―」というナレーションが示唆するように、一筋の光を予感させるラストになっている。

あらすじ

厚生労働省で非正規雇用問題に取り組む若手官僚の鷹野は、激務に追われる中、仕事への理想も失い無力な自分に思い悩んでいた。

30代後半に差し掛かり、将来的なキャリアと社会不安に悩まされていた切り絵作家の翠は、子どもを欲する自身の想いを自覚しつつも、高校の美術教師である夫との関係に違和感を感じていた。

幼馴染を助けたことをきっかけに自分がいじめの標的になってしまった中学二年生の学級委員長。攻撃が苛烈さを増す中、シングルマザーの母に心配をかけまいと、一人で問題を抱え込んでいた――。

原作本

出版社: KADOKAWA
発売日:2017/12/26
※画像はAmazonより