草刈民代や菅原小春ら“踊り”繋ぐ

元バレリーナで女優の草刈民代がさまざまなダンサーに呼びかけ、“踊り”を繋いだ映像作品を公開している。

この映像作品は、新型コロナウイルスの影響によって踊る場を失っている、さまざまなジャンルのダンサーとともに制作したもの。

出演者は、草刈民代、菅原小春、麿赤兒、熊谷和徳、上野水香、辻本和彦、中村恩恵、平原慎太郎で、この期間を過ごす大勢の人たちに「ポジティブな気持ちになってもらえる作品を届けたい」という気持ちのもと、バレエ、コンテンポラリーダンス、タップ、ストリートダンス、舞踏といったジャンルのダンサーが集まった。

楽曲は、現代音楽の巨匠フィリップ・グラス氏の作品を使用。ヨーロッパ在住のピアニスト滑川真希氏を通じて、グラス氏にもこの企画への参加を要望し、楽曲提供が実現したという。

演奏には、オフリス・ギター・カルテット フランスが協力した。

草刈民代コメント(企画・プロデュース)

日本でも自粛要請が出て一ヶ月ほど経った頃、私は踊りでつながる仲間たちに声をかけ、この状況のなかでも多くの人に観ていただけるような作品を創ってみようと呼びかけました。ダンサーたちの「踊る意志」を通して、皆さんにポジティブな気持ちになっていただけるような作品を届けたいと思ったからです。ダンサーは踊らなければ、何も始まりません。まだまだ先が見えない状況である今、踊る場を奪われてしまったダンサーと一緒に、今だからできるものを創ってみたいと思いました。

そして、バレエ、コンテンポラリーダンス、タップ、ストリートダンス、舞踏といった様々なジャンルのダンサー全員がオンラインで情報を共有し、各自がスマートフォンで撮影し、踊りを映像によってつなぐ作品を作りました。この楽曲は現代音楽の巨匠フィリップ・グラス氏の作品です。ヨーロッパ在住のピアニスト滑川真希さんを通じて、グラス氏にもこの企画に参加していただけないかとお願いしたところ、快く楽曲を提供していただくことができました。

また、演奏者のオフリス・ギター・カルテット フランスの皆様にもご協力いただいています。

人々の生活が大きく変わろうとしている今、その中にあっても、表現者たちは「表現する意志」でつながっています。タイトルは「# Chainof8」。8人のダンサーの<Chain+innovate Cha(in)novate >。この時期だからこそ生まれた、私たちの試みを楽しんでいただけたら幸いです。

草刈民代 プロフィール

1981年から牧阿佐美バレヱ団に参加。1987年『白鳥の湖』オデット・オディールの初役を務め、以降バレエ団の主要バレリーナとして活躍。
同年全国舞踊コンクール第一部第一位、文部大臣奨励賞を受賞。
1988年村松賞、1989年橘秋子賞受賞。1991年、スタニスラフスキー&ネミロビッチ・ダンチェンコ劇場(モスクワ)による招聘を機に世界各地でゲストバレリーナとして客演。以降、レニングラード・バレエシアター、モスクワ音楽劇場、レニングラード国立バレエ、新国立劇場バレエなどにゲスト出演。
1996年には映画『Shall we ダンス?』(周防正行監督)に主演し数々の賞を受賞。1997年服部智恵子賞受賞。
1999年故ローラン・プティ氏により「若者と死」の死神役に選ばれ、プティ氏 から厚い信頼を受ける。これ以降プティ作品は最も得意なレパートリーとなり、その数は11作品に及ぶ。
2005年愛知県で行われた万国博覧会で公演をプロデュース、主演し、野外公演にて約2万5千人を動員。
2006年『ソワレ Soiree de Dance Roland Petit』をプロデュース。パリ、上海、香港、台湾の他日本国内8都市で公演。同年韓国国立バレエ団の招聘によりソウル・アートセンターにてマッツ・エック版『カルメン』に主演。
2009年『Esprit~ローラン・プティの世界』をプロデュース。国内11都市、14公演を行いバレリーナとしての幕を閉じる。2010年「Vogue Japan Woman of the Year」受賞。
女優業ではTBS『私の家政夫のナギサさん』の出演を控えている。

菅原小春 プロフィール

幼少期に創作ダンスを始め、小中高生の時に数々の有名ダンスコンテストで優勝、早くから注目を集める。

2010年に渡米し、独自のダンススタイルが高く評価され、Rihannaなどのトップアーティストのバックダンサーとしてのキャリアを積み、海外でも一目置かれるダンサーとなる。

2015年スティービー・ワンダーとのCM共演が話題となり、2016年、2017年と自らが演出を行った単独公演 SUGAR WATERを成功させる。

また、2016年の紅白歌合戦で坂本冬美、蜷川実花、2018年の紅白歌合戦では米津玄師との共演をおこなう。NHK2020応援ソング「パプリカ」では振付を辻本知彦と共作する。

2018年には黒田育世の舞台「ラストパイ」で主演、2019年NHK大河ドラマ「いだてん」にも出演し、女優としても活動の幅を広げている。

現在までに世界35ヵ国以上を一人で飛びまわり、ワークショップやショーを行う傍ら、TVCM、ラジオ、ファッション誌などにも登場。